ラブロマンスはあなたと☆
第1章 プロローグ
あれは告別式の後。
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親族だけの食事会が行われた。
私は慣れない雰囲気に戸惑っていたが、それ以上に心はときめいてもいたのだ…。
それは、母が私に言ってきた。
「まゆ、恭也君いるじゃない。久しぶりに話してきたらどう?」
「えっ」
母の言葉は、せっかく冷静を保っていた私の心を揺るがすものだった。
「まゆ、顔が赤いけど熱でもあるんじゃない?」
「だ、大丈夫よ。ちょっとトイレに行って来る…」
私は、その場を逃げるように席を立った。
「ふぅー」
しばらく心を落ち着かせると、私はまたお座敷へ戻ろうと長い廊下を歩いていた…のだけど。
ドキッ!
「…恭也君」
入り口の前に、いとこの櫻井恭也(サクライキョウヤ)が立っていたのだ。
腕を組み、壁にもたれかかって、私をじっと見ている。
恭也が来ているのはもちろん知っていた。
視線もずっと感じていた……。