ラブロマンスはあなたと☆
第4章 再び
恭也が運転手さんに行き先を告げる。
「ねえどこへ行くの?」
恭也は表情ひとつ変えずに言う。
「俺のマンション」
「何言ってるの?私帰りたいっ」
「だめだって言ったろ?」
「なによ、どうせ今でも誰かさんと会ってるくせに」
私は泣きそうになる。
すると恭也は私をじっと見つめて言った。
「もう誰も来ないよ。まゆと会ったあの夜から、俺はずっと一人だ」
「嘘だわ、そんなの!」
「嘘じゃないっ」
「え…」
ずるいよ恭也。
そんな事言われたら…
私の決心がぐらつくじゃない。
「…グスッ…うっ」
とうとう涙がこぼれ落ちた。
そんな私の肩を恭也はぐっと引き寄せてくる。
恭也にもたれながら私は思っていた。
もう戻れない。
戻れなくてもいいと……。