ラブロマンスはあなたと☆
第6章 心の中の君
仕事を終えた私は、送別会で部長にお渡しする花束を買いに花屋さんへ寄った。
思ったより店内は混んでいて、会の時間に少し遅れてしまった。
急げ。
急げ。
人ごみをぬうように、私は早足で会場へと向かう。
その時だった。
どんっ!
すれ違った人と肩がぶつかってしまったのだ。
かなりの衝撃があった。
「す、すみませんっ!」
私はすぐに謝った。
だが相手は…運の悪いことに、柄の悪そうな男の人だった。
私を鋭い目で睨みつけている。
「痛いじゃねーか、姉ちゃんよー!どうしてくれんだぁ、えっ!?」
怖いっ…すごく。
通行人はみんな見て見ぬふりだ。
私の膝がガクガクと震え出す。
どうしたらいいんだろう……。
「ほんとに申し訳ありませんでした…」
私は何度も頭を下げるしかなく、そのうち涙まで出てきてしまった…。