ラブロマンスはあなたと☆
第7章 ♪真夜中のロマンス
男は、じりじりと私に近寄って来た。
うっ、アルコール臭い。どうやら酔っ払っているみたいだ。
「あんたよく見たら、結構キレイな顔してるじゃん。おれと一緒に来てくれたら、許してやってもいいけどな。へへへっ」
そう言って私の腕を掴んだ。
「い、いやっ!」
私このままこの男に連れて行かれちゃうの?そんなの絶対いや!……と思った
そのとき。
「あいたたたっ…!」
男の手が誰かによって、後ろにねじ上げられていた。
「っ!?」
苦痛に歪む男の顔。
「いい加減そのへんでやめないと、もっと痛い目に遭わせるぞっ!!」
この声は誰……?
「な、なんだ貴様はっ!?」
「俺?ケーサツだけど」
男はその人が出した手帳を見ると、
「ち、ちくしょう…っ!」
と叫んで、走り去って行った。
「お怪我はありませんでしたか?」
「ハァ、ハァ…はい。大丈夫です」
その人は地面に落ちた花束を私に拾ってくれながら、顔を上げて聞いた。
でも。
お互いの目と目が合った、その瞬間……!
「まゆ、なのか?」
私から周りの風景が消えた。
これは夢だろうか?
そこにいたのは
「恭也…」
今でもずっと
忘れられない人だった。