ラブロマンスはあなたと☆
第7章 ♪真夜中のロマンス
「…欧風居酒屋○○、ここだ」
私は引き戸を開けて入り、階段を上がった。
会場となる二階のお座敷へ入ると、すでに宴会は始まっていた。
えっと。私はどこに座ったらいいかな…と、キョロキョロしていたら。
「せんぱーい、席ここですよ!」
柿原君が私に手招きをした。
女子達の目がちょっと気になったけど…
「ありがとう、助かったわ」
私は彼の隣りに座った。
「先輩…どうしたんですか?目が赤いけど。もしかして、泣いたとか」
柿原君は私の顔を覗き込んで聞いた。
「な、泣いてなんかないわよ」
「ふーん、そうですか?ま、どうぞ」
「どうも…。あまり私にかまわないでね」
柿原君がビールをついできた。
しばらくして幹事役の社員が言った。
「ではここで、森川部長よりご挨拶があります」
部長の話が始まっても、私の耳には入ってこない。
来る途中で恭也と会った事が、ずっと頭の中を支配していたのだ…。
「先輩、先輩っ」
「えっ」
「花束の贈呈ですよ」
「そうだったわね」
柿原君に言われて気づいた私は、慌てて部長の方へ向かった。
「いろいろとお世話になりました」
そう言って私はみんなが見守る中、無事花束を部長に手渡した。