たゆたう草舟
第2章 余計なお世話
「昌幸様っ、抜いてくださ……っ、み、身ごもってしまえば、ご迷惑が」
彼は真田の当主。然るべき地位の方が孕むならともかく、私が子を宿すわけにはいきません。しかし昌幸様は離れるどころか、私の腰を押さえ、さらに動きを早めました。
「あっ、あ……なぜ、ん……っ」
「私の子を孕むのは、嫌か?」
その問いは、返事に困るものでした。私個人の気持ちなら、嫌ではありません。好きだと思う方とこうして繋がれて、子を宿せたなら最高の幸せでしょう。しかし昌幸様の立場を思えば、遺恨の種を芽吹かせる訳には参りません。
「だ、駄目です……」
「嫌です、ではないのだな」
昌幸様は私を一際強く突き、身を硬直させます。その瞬間中に熱いものが広がり、私の全身に快楽が駆け巡りました。
「あっ、い……ああぁっ!」
子種の存在を感じながら気をやり、私は身を昌幸様に預けました。初めて迎えた絶頂はあまりに刺激が強すぎて、とても身を起こしていられなかったのです。
昌幸様はそんな私を軽く揺さぶり余韻を楽しんでから男性を抜き、私の乱れた着物を直しながら囁きました。