たゆたう草舟
第4章 落葉の風
「――あああっ!」
はしたなく下腹部を濡らした私は、貫かれたその瞬間に極めてしまいました。体が痙攣しぐったりする私の頬を撫で、昌幸様は落ち着くまで待ってくれます。しかし彼が抑制してくれているのに、私の方は彼を引き込み、求めてしまうのです。
「……昌幸様っ、来て、ください」
「お前もなかなか我が儘な娘だな。いや、人は皆、我が儘な生き物なのかもしれぬ。私は、お前を壊してしまうかもしれない」
「昌幸様になら……どうされたって、構いません。私は、昌幸様を……」
愛している、とは言えませんでした。我が儘の中でも、それは一番の我が儘。何があろうと、この想いだけは口に出来ませんでした。
また昌幸様も、私の言葉など聞かなかったかのように、繋がるそこを揺らし始めます。追及されないのは有り難くもあり、寂しくもあり。しかしそんな感情も、下からせり上がる快楽の前には吹き飛びました。
何度も突かれ、目の前が真っ白になり、女の奥底に昌幸様の男性が放出されたその瞬間、もう私は自我を失っていました。気が遠くなり、薄れゆく意識の中で、昌幸様の声を聞いたような気がしました。