たゆたう草舟
第5章 月草の 消ぬべくも我は 迎え往く
珍しくうろたえる彼が可愛らしくて、私はますます奉仕に夢中になってしまいます。聞こえない振りをして先端を吸えば、昌幸様の内股が硬直し、口内に月の雫が降りました。
「んっ……」
「――はあっ……だから、言っただろう。やめろと」
昌幸様は私に、口の中のものを吐き捨てるよう命じました。しかし私はそれを飲み込むと、気の抜けた昌幸様自身に再び指を絡ませました。
「いいえ、やめません。昌幸様が満足するまで、何度でも奉仕致します」
「やる気なのは結構だが、少し落ち着け。前戯だけで、私を果てまで絞り取る気か」
昌幸様は私を立たせて木を背の支えに片足を上げさせました。
「私が一番望むものは、この中にある。それを味わう前に、果てさせるな」
そして昌幸様の指は、私のはしたないところに入っていきます。
「だって……そこに、触られたら……私、ぁうっ!」
「おかしくなって乱れるくらいがいいんだ。先程も話したが、余裕な顔などさせんからな」
中を探られると、労るという大義は吹き飛んでしまいました。自分の芯に走る快感に目が眩み、ただ昌幸様にしがみつくだけになってしまいます。