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たゆたう草舟

第5章 月草の 消ぬべくも我は 迎え往く

 
「すぐにでも受け入れられそうなくらい、濡れているな。だがお前がやりすぎたせいで、私の準備がまだだ。しばらくこのまま、遊ばせてもらうぞ」

「あっ、んんっ!」

 指が往復するたび、私は背を仰け反らせ啼いてしまいます。しかし体が最も欲しがるものは、なかなか与えられません。

「昌幸、様ぁ……もう、わた、し……早く、欲しい……」

 我慢出来ず体を擦り寄せてしまう私は、もはやただの獣でした。昌幸様はそんな獣の肩を押さえると、いつの間にか復活した昌幸様自身で、下から突き上げました。

「――い、いい……はあぁっ!」

 一番奥まで突かれると同時に、闇に響く水音。それがいっそう私の興奮を高め、獣を啼かせたのです。

「ぁん……んっんっ、はぁっ」

 下から突かれると同時に首筋を唇でなぞられ、私は達する前から天国を見ているようでした。これが最後というならば、私はこのまま天に召されてしまいたい。そんな想いでいっぱいでした。

「昌、幸さま……あっ、も……んん!」

 私の中で彼の存在感がより強くなると、もう限界でした。頂点は軽く飛び越え、私は全身を震わせ己を解放しました。

「あっ、あああーっ!」
 

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