たゆたう草舟
第5章 月草の 消ぬべくも我は 迎え往く
私の意識は弾け飛びましたが、昌幸様のものは私の中で依然主張していました。昌幸様は私の息が整うまで動かずに待ってくださいましたが、何度か私が深呼吸すると、背中から私を抱き込む形に変えて、また秘め事を再開しました。
私が顔を目の前の木に打ちそうになると、昌幸様は強く突き上げるだけでなく、私を掻き回しじっくりと愛します。それがまた私の本能を一つ暴き、分別なく昌幸様を求めさせました。
「いい……気持ち、良い……昌幸様、もっと……」
すると昌幸様は、後ろから私の胸を弄りながら突き上げます。私もそれに答えるよう腰を揺らし、再び高みへと昇っていきました。
「はっ……お葉、逃げるなよ……受け止めろ」
びくびくと中で膨らむ昌幸様自身。今日は駄目だと拒む余裕もありませんでした。だって私は、雫の一滴まで、全てが欲しかったのですから。
「あうっ、ん、んう……んんんっ!」
この瞬間、私が感じたのは最高の幸福でした。もちろん、この幸福が続く事はもう二度とありません。しかし、昌幸様とこうして時を分かち合えた、その事実だけで、私は一生平穏に暮らせそうな気がしたのです。