
スキをちょうだい。
第4章 不穏ナくうき
それを破ったのは田中だった。
机を叩き、かなでを指差して怒鳴る。
「出雲、お前ってやつは空気が読めないのか!?」
「えぇ? だって、ボクは気にしてないし」
「そういう問題じゃない!」
教室中から視線を集めているのも気にせずに怒る田中を、かなでは華麗にスルーして、航太に笑顔を向けた。
「ねぇ、航太くん。連絡先教えて」
「人の話をきけ!」
田中を不憫に思いながら、航太は言われるがまま連絡先を交換した。
「うれしい。いっぱい遊ぼうね」
かなではやはり、男子は絶対にしない喜び方をして、航太を見つめるのであった。
