
スキをちょうだい。
第6章 ボクダケガ
「これ飲んで。お母さん特製のジャスミン茶だから、おいしいよ」
「あぁ、ありがと」
航太は、タイミングよく出されたジャスミン茶を一気に飲み干した。
それを、かなでは満足そうに眺めてーー笑顔のまま言った。
「で? 何か言いにきたんでしょ?」
思わず、お茶を吹き出しそうになり、咳き込む航太を、かなではクスクスと笑う。
「航太くんって分かりやすいよねぇ」
睨みつける航太を、彼は笑いながら制した。
「あぁ、でも、言わなくて大丈夫。見当はついてるからさ」
「なら、話がはやいな」
航太はポケットから例の写真を取り出し、机に叩きつけた。
「認めるってことだろ?」
僅かの間。
かなでは、声をあげて笑い始めた。
