
スキをちょうだい。
第6章 ボクダケガ
あまりの変わりように、航太は目眩を覚えた。
それを出さないように我慢しながら、負けじと言葉を返す。
「仮にそうだったとして、ずいぶん、楽しそうに話すんだな」
「だって、ボクは航太くんがスキだもん。スキな人になら、なにされても嬉しいよ」
いけしゃあしゃあと、愛の言葉を言うかなでに、航太は怒りを通り越して、吐き気を感じた。
「じゃあ、オレは何もしない。さっさと写真のデータをよこせ」
自分の声がくぐもって聞こえる。
「そんな怖い顔しないでよ」
せせら笑う相手の顔が、歪んで見える。
