
スキをちょうだい。
第6章 ボクダケガ
冷たい指が、ぬるい舌が、愛おしそうに、味わうように這い回る。
襲ってくる快楽に逆らおうとすればするほど、身体は感じて、噛んだ下唇の隙間から、熱い息が漏れた。
嫌悪感と快感の間でもみくちゃにされている航太を、かなでは楽しんでいるようだった。
「航太くん。そんなにガマンされたら興奮しちゃうよ…‥」
彼は言いながら、相手の硬くなった乳首を弄ぶ。
「んっ」
声をあげる航太だったが、その口は固く閉じられている。
「口、開けて?」
かなでに顎を持ち上げられ、両頬を押されても、決して開けようとはしなかった。
薬のせいで、相手を突き飛ばせない彼の、最大限の拒絶だった。
しかし、それさえもかなでには通じない。
