
ノンフィクション
第1章 序章
桐谷社長「本来ならメニューの一番下にログアウトが表示されているはずだが無くなっているだろう?」
確かに……
おいおい、この展開まさにS○Oじゃねぇか?
桐谷社長「あの会場にいた私以外の全ての人達はこの世界に体ごと連れて来られた。恐らくあの会場の下に転送装置があり、君達を含む計549名もの人達がこの世界に居ると考えていいだろう。よって君達はこの世界で死ねば現実世界でもその存在が消滅することになる。君達は言わばこのゲームと軽い融合状態にある。ゲームのアイテム等で回復はするが命までは治せない。」
うん、S○Oだ。
遠矢「脱出する方法は?」
桐谷社長「君達が居るこの場所は始まりの街だがこの世界から抜け出すためにはこのゲームの支配者を見付ける必要がある。すでにこのゲーム支配権は私から別の者に渡った。」
桐谷「佐伯……」
桐谷社長「そうだ、彼もこの世界のどこかに居るはずだ。彼を見つけ出し、ログアウト機能を復活させなければ脱出は不可能だ。」
ん?待てよ?
遠矢「社長、確かこの腕のリングって俺達を含む50名にしか渡されてないよな?他の499名の人達はどうなってるんだ?」
桐谷社長「彼らも君らと時を同じくしてこの世界に連れて来られた。だが彼らはリングを着けていないのでゲームに参加することは不可能だ。したがってこの世界で生きていくしか道はないだろう。残念だがこれが現実だ。」
遠矢「こんな……こんな現実があってたまるか。さっさとその佐伯ってやつ見つけ出して元の世界に帰ろう!」
桐谷社長「その意気だ!頼んだぞ!少年!さて、私はそろそろ行くとしよう。やがてエネルギーが切れてしまう。二人とも、健闘を祈るよ。」
社長は消えてしまった。
さぁて、忙しくなりそうだな。
桐谷「大変な事になっちゃったね」
遠矢「ああ……でも、悪くない」
桐谷「えっ?」
遠矢「考えてもみろよ、こんな経験2度とないかもしれねぇぞ?」
桐谷「はぁ、やっぱりあんたはどんな時でも変わらないわね。でも確かにそうね。」
これから俺達に何が待ち受けているのか、物語はまだ始まったばかりだ。
