
ノンフィクション
第1章 序章
八神「あ、あの……お二人は恋人同士なんですか?」
なっ!?
桐谷「んなわけないでしょ!なんでこんな奴と……ただの幼馴染みよ!」
遠矢「こんな奴とは心外だねぇ」
八神「そうなんですか、てっきり勘違いしてしまいました。」
遠矢「ところで、八神はいつからこのゲームに?」
八神「う~んと、1ヶ月程前くらいかなぁ」
やっぱりこの子もあの会場での事件の被害者なんだ。
桐谷「あなたもあの展示会会場に?」
八神「はい、いきなり銃声が聞こえてきて、眩しい光が会場を包んで……気が付いたらこのゲームに居ました」
遠矢「んじゃ、詳しい事は何も知らないのか?」
八神「はい。ですがこの1ヶ月の間に多少の事は分かりました。情報収集した結果、あの会場で何があったのか、皆さんはっきりとはわかりませんでしたけど、2週間程前に、私は一人の男性に会いました。とても冷酷な目をしていて、近づきたくない……そう思っていました。その人は『このゲームはノンフィクションの世界、ありとあらゆる物は想像することによって生まれる。君達は大変貴重な実験体だよ』と、言っておりました。その言葉の意味がどういうことなのかわかりませんが、何か嫌な予感がしたのです。」
遠矢「その人の名前は?」
八神「直接お聞きしたわけではありませんが、胸の方に桐谷corporationのマークがあって、確か名前は………佐伯…だったと思います。」
!!
やっと見つけた!佐伯の手掛かりだ!
遠矢「八神!そいつは今どこに居るかわかるか?」
八神「えっ?詳しくはわかりませんが、ここから北の方に向かって行ったので恐らくエルマに居るのではないでしょうか?」
エルマか……
まだ行った事無い街だな。
遠矢「桐谷!すぐに旅支度を整えるぞ!八神も出来れば俺達と一緒に来てくれ!」
八神「私は構いませんが……どうしたのですか?そんなに慌てて…」
桐谷「訳は後で話すわ。とにかく急いでこの街を出るわよ。」
八神「はっ…はい!」
俺達は喫茶店を後にし、急いで宿屋に向かった。
