
ノンフィクション
第1章 序章
桐谷社長「と、このように周囲の情報を瞬時に読み取りゲーム化する機能です。ちなみにゲーム内にいるプレイヤーは現実世界の人達には触れることも危害を加えることも出来ません。また声も現実世界の人には聞こえません。安心安全にプレイする事が可能です。その機能については長くなりますので詳しくは後程お伝え致します。では次にリアルアクション機能についてご説明致します。」
そう言うと社長は剣を構えるかのようなポーズをした。
桐谷社長「プレイヤーの皆様は自分の持ちたいものや武器、アイテムに至るまで全て想像することによって生み出すことが出来ます。そう、全ては想像なのです。」
なるほど。妄想・・・想像なら得意中の得意だ。
桐谷社長「さて、長話するのもなんですからさっそく・・・」
その瞬間、バン!という音が会場に響いた。
桐谷「お父さんっ!!」
響き渡った音の正体は銃声だった。
そう、桐谷社長は何者かの手によって撃たれたのだ。
警備員の声が会場にいる人達に避難するように言うが、何故かドアは開かなかった。
桐谷がお父さんの側に駆け寄る。
桐谷「お父さんっ!しっかりして!」
桐谷社長「優子…お友達…も…無事…か?」
桐谷「私達は大丈夫!それより救急車呼ばないと!」
俺も側に駆け寄る。
桐谷社長「いや…救急車は……呼ぶな」
そう言うと社長は最後の力を振り絞って胸ポケットから何かを取り出した。
桐谷社長「これは……世界を変える…鍵だ……グフッ!……遠矢君……君に…託したい。」
受け取った物は怪しげに光った球体で、それが俺には何なのかわからなかった。
俺の掌の上でそれは安堵に満ちたように光輝いた。
桐谷社長「ふ……やはり…な」
遠矢「これは?」
桐谷社長「これから君達に…様々な困難が……待ち受けている…だろう。だが片時も……それを肌身離さず…持って……いれば必ずや…乗り…越えられる!」
桐谷「お父さんっ!もうしゃべらないで!!」
桐谷社長「優子……すまない……お前を……一人に…して…しまって」
桐谷「嫌だよっ!お父さんっ!死なないでっ!一人にしないでよ!」
桐谷社長「遠矢君……君…は…このゲームに…選ばれた……自分の…道を……信じ…何が…あっても…貫くのだ」
選ばれた?
一体どういうことだ?
桐谷社長「遠矢君……優子…の…ことを……たの……む………」
