
ノンフィクション
第1章 序章
社長が息を引き取るその瞬間、社長から放たれる眩い光が会場全体を覆った。
気を失っていたのか……
目が覚めるとそこは会場ではなく見晴らしのいい丘の上に居た。
そうだ!桐谷は!?
良かった、隣でぐっすり眠ってる。
俺と同じで気を失っていたのか…
遠矢「おい!桐谷!しっかりしろ!」
桐谷「………うっ………ここは?」
遠矢「……どうやら現実世界とはまるで別の場所みたいだ」
桐谷「そうだ!お父さんは!?」
遠矢「………」
桐谷「もう会えないかと思うと私……」
桐谷社長「果たしてそうかね?」
!?
この声は社長の…
泣き崩れた桐谷と俺の後ろに現れたのは社長の姿をした立体映像だった。
桐谷「お父さんっ!!」
桐谷社長「その様子だと、やはり私は殺されたようだね」
どういうことだ?
社長は自分が死ぬ事を予知していたのか?
遠矢「社長、これは一体どういうことなんですか?」
桐谷社長「その事は宿に行ってから話そう。君の後ろに街が見えるはずだ、そこで待っているよ。」
社長は消えてしまった。
頭が混乱する。社長の立体映像からするにここはどうやらゲームの世界らしい。
しかし、信じられないな。見渡す限りかなり広大な世界、空には大きな太陽とその周辺に小さな惑星みたいなのが見える。
不思議な世界だ。
遠矢「……桐谷、行こう!」
桐谷「……うん」
桐谷も相当困惑しているのだろう。知らない世界に連れて来られ、つい先ほど亡くなった親父さんまで出てくるのだから仕方ないだろう。
俺は真相を知るために桐谷の手を引いて街へ向かった。
