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ノンフィクション

第1章  序章



街中は活気で溢れかえっていた。
人もそれなりに居る。
さぁて、宿はどこだ?
数十メートル歩くと宿が見えてきた。
中へ入ると冒険者っぽい人達がたくさん居た。
すると宿屋のマスターが近づいてきた。

マスター「あんたら、見ない顔だね。初めてかい?」

遠矢「はい。」

マスター「そうか!この街はいい場所だ!ゆっくりしていってくれ。それと宿代なら無料だ!初めての客にはそういう決まりになってるんだ。好きに使ってくれ。ちなみに部屋は204号室だ。」

俺達はお礼を言ってさっそく2階に上がり部屋に入った。
しかしまぁ、なんとも殺風景な部屋だな
もうちょっとどうにかならなかったものかねぇ

桐谷社長「予算上あまり部屋にはこだわれなくてね」

遠矢「うわっ!びっくりさせないで下さい!」

桐谷社長「はっはっは!いやぁ、若いねぇ」

そう言うと社長はニヤリとした。
この野郎………

桐谷「お父さん……そろそろ話してくれない?何があったのか」

桐谷社長「うむ、冗談はこの辺にしてさっそく本題に入ろう。まぁ座りたまえ。」

俺達は椅子に腰掛けしばらく黙っていた。口を開いた社長から聞いた言葉は信じられない内容だった。

桐谷社長「気付いているかもしれないがここは現実世界ではない。ノンフィクションのゲームの世界だ。あの会場で私は殺され、本来なら君達はこの世界には来る必要はなかっただろう。だが君達は来てしまった。何故このような事態になったのか、それは私を殺した犯人に関係している。」

!?
社長は自分は死ぬ事はおろか犯人の事も知っているのか!?

桐谷「それって……」

桐谷社長「あの会場に来ていなかった人物が居るだろう?」

遠矢「確か、社長の友人で開発担当の佐伯さん…でしたっけ?」

桐谷社長「そうだ、彼とは深い仲でね、一緒にゴルフや旅行にも行ったものだ。」

遠矢「そんなに仲の良かった人がどうして?」

桐谷社長「ノンフィクションの開発中、ある事件がきっかけで彼は変わってしまった。」

桐谷「ある事件?」

桐谷社長「そう、遠矢君、君が持っているその球体が完成した時、佐伯はその能力、質量において、地球上のありとあらゆる物質を遥かに凌駕する力があることを知り、その力を利用しようとした。私はそれを阻止すべく、彼を説得しようとしたが、彼は私の声などまるで聞いていないようだった。」

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