
私の彼は****が好き
第9章 誰にも渡さない……っ
*
こうして話は変な方向に転がって、亜也ちんとふたりで彼氏の勇人くんのアパートに向かうことになってしまった。
「ね……本当に行くの?風邪で寝てたら悪いよ?」
「そのときは適当な言い訳するよ。顔見て帰るし」
「で、でもぉ、」
歩きながらも行っていいのか迷ってた。
だってあたしも一緒じゃおかしいじゃん?
「……う~ん…」
「ここだよ」
でも、あたしが迷ってるうちに着いてしまった。亜也ちんが言ったとおりだ、タケルのバイト先から本当に近い。
徒歩5分て感じ。
「え、ここ!?」
「そ。ここの一階の端が勇人んチ」
勇人くんのアパートは、ちょっと古いけど駅の近くで立地はいい。
「へ、へー、びっくり。灯台もと暗しだねー……?」
意味の分からないことをいいつつ、ちょっとドキドキしてきたあたし……。
