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私の彼は****が好き

第9章 誰にも渡さない……っ

駅の出入口にタケルが立ってる。


夢かと思った。


「……タ、…………タケルぅぅっ!?」


あたしはぶわっ!と泣きながら駆け寄って、タケルの胸に勢いよく飛び込んだ。


「絵里おかえ…痛った!…………なにどうしたの?」


「タケルぅぅぅ!?ああああー‼会いたがったよォォォ‼」


「さっき店で会ったよね?なにこのムダなドラマチック?…………何かあったの?さっき電話したんだけど……?」


通行人がわざと目を反らしてあたしたちを素通りするなか、タケルは泣きじゃくるあたしを抱きしめてくれた。


「ほら、落ち着きな?」


そして頭をなでなで。


「亜也ちゃんとケンカでもした?」


「…………亜也ちん?」


今夜のことは、色々と濃すぎてどこから話して良いのか……。


特に矢野先輩のことは言いにくいな……。


「違うよ、ケンカとかしてないよ、……えっとね、帰りの電車で痴漢されちゃって…………」


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