濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
本当に綺麗…
肌も色白だしツルツル な感じで……長い銀髪 もサラサラしてそう…
ゆりなは、無意識に月蔭の銀髪にそっと手を伸ばした。
「この銀髪が気になるの か?」
「あ…ごめんなさい…
キラキラ光って綺麗だ ったからつい…」
「いや、気が済むまで触 れていい」
そう言うと、下ろされたゆりなの手を取り自分の銀髪に触れさせた。
「あ…」
「好きに触れていい…」
ゆりなは戸惑いながらも、ぎこちない手つきで銀髪を触り始めた。
まるで絹の様に細くサラサラで、手触りの良い髪質にうっとりとした。
「綺麗な髪…」
「髪を褒められたのは初 めてだ」
「どうやったらこんなに 痛まないで染められる んですか…?」
「染める?
これは生まれつきだ」
「えっ?」
「この金色の目も…顔も …髪も…全て母譲りだ ……」
「それって…」
ふと目を合わせると…
鋭く真剣な眼差しで見つめられていて、何か言いたい事がありそうな雰囲気を感じた。
「あの…」
「…俺は、人間と妖弧の 間に生まれた…半妖だ …」
えっ…?半妖…?
「母は妖弧で父は人間だ 」
「…お母さんって…美人 ?」
「?…ああ」
「あ…だから…月蔭はこ んなに綺麗なんだ…」
ゆりなは疑問が解けた様に、思わず月蔭に微笑んだ。
意外な反応に、月蔭は少し拍子抜けした様子でゆりなを見つめた。
「…俺が怖くないのか? 」
「えっ?」
「妖弧でも人間でもない 俺は…里の人間達から も妖怪達からも忌み嫌 われている…」
「え…」
その目はどこか寂しそうで切なげで、ゆりなは胸の奥がチクリと痛むのを感じた。