濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
屋敷に戻った月蔭は、先程の部屋で布団の上にゆりなを座らせる様に下ろした。
「もう少し休んでた方が いい」
「あ…はい…ありがとう ございます…
…あの…重くなかった ですか…?」
「いや、軽過ぎるくらい だ
ちゃんと食べてるのか ?」
「え…まあ…」
真剣な眼差しで美し過ぎる顔を近付けてくる月蔭に、ゆりなは顔を赤くさせながら俯いた。
そっ、そんな真剣な顔 で見つめないでぇっ! 目が合うだけでも胸が 苦しいのに…
「まだ具合が悪いのか? 」
「それはもう大丈夫…で す…」
「じゃあ、他に何かある のか?」
「えっ…いや…」
徐々に美しい顔が近付いていきたかと思ったら、月蔭はその華奢な身体を包み込む様に抱き締めた。
えっ…
「お前とこうしていると 落ち着く…」
わたしは心臓バクバク で落ち着かないよ~~ !
お姫様だっこされてた 時も思ってたけど…
スラッとした見た目よ り…結構筋肉があって ガッシリしてるんだよ ねっ…
…なんか…興奮し過ぎ て頭がクラクラしてき ちゃった……
「…ゆりな…」
微かに熱を帯びた低く落ち着いた声で囁かれ、ゆりなはドキッとして身体が熱くなっていくのを感じた。
名前を呼ばれただけな のに…
わたしの体…どうしち ゃったんだろうっ…
……体が熱くて…胸が 苦しい……
「あ…あの…」
顔を上げたその時、月蔭と目が合いその熱を帯びた色っぽい眼差しにゆりなは釘付けになってしまった。