濃密 恋絵巻
第1章 ~タイムスリップ…!?~
「わたしは…怖くないよ …むしろ……」
そう言いかけた時、急に恥ずかしくなってしまい顔を赤くさせながら黙ってしまった。
「むしろ…なんだ?」
「あ…や……」
声を聞くだけ…近くに いるだけ…目が合うだ けでドキドキするなん て言えないっ…
あーーっ…恥ずかしく て顔が凄く熱くなって きたっ……
「ゆりな?
俺の正体を知って怖く なったのなら言ってく れ…」
月蔭はゆりなの頬にそっと触れ、哀しげな眼差しで見つめ続けた。
あ…
…そんな悲しそうな顔 しないでっ…
……そんな顔で見つめ られたら…わたしっ…
ゆりなは、突然月蔭の胸の中に飛び込んでいきそのまま抱き締めた。
突然過ぎる出来事に月蔭は一瞬驚きながらも、直ぐにその華奢な身体を優しく包み込んだ。
「…ゆりな…」
「月蔭が…人間とか妖弧 とかなんて関係ない… 」
「…そうか…」
月蔭は安心したかの様に目を閉じて、その心地いい温もりを全身で感じた―――……