濃密 恋絵巻
第2章 ~歪んだ想い~
「先に警告しておくが、 ゆりなに手を出したら 命はないと思え」
「ふふ…そんなにあの女 が大事なのね…
…月蔭様…わたくしは あなたの事なら何でも 知っているのよ?
…月蔭様の秘密も…」
「それがどうした
何をしてもお前は俺に 勝てない」
「ふふ…それはどうかし ら…
妖怪に魂を売って若さ と妖力を得て40年… 今や力のある妖怪をも 倒せるまでになったわ 」
「それじゃあ、今ここで お前の力を試してやろ うか?」
月蔭が腰に指してあった刀に手を伸ばした瞬間、琴刃は舞うように距離をとった。
「ふふ…今は遠慮してお くわ…
月蔭様、近いうちにま たお逢いしましょう
その時は…あなたはわ たくしのもの……」
琴刃はおしとやかに微笑むと、風の様に姿を消した。
月蔭は琴刃が去った後も、険しい顔をしたまま立ち尽くした。