「先生、食べちゃっても良い?」
第11章 教室
……人を待ってるって、もしかして日向先生の事だろうか。こないだの体育倉庫での事があるから、そう思ってしまう。本人には聞けないけど……。
「そうなの……じゃあ、私は先に帰るから。気をつけて帰ってね」
「あ、ちょっと待ってください。先生」
ドアへ向かい歩き出そうとすると山田さんから手を握られ、不思議になりながら立ち止まった。
……その瞬間、カチャッと金属音の様な音がしたかと思うと、まさか両手を手錠で拘束されたなんて誰が想像出来るだろう。
山田さんの笑顔を見るまで信じられなかった。
「帰しませんよ。先生をたっぷり可愛がってあげてって、キョウから頼まれてるんですから」