「先生、食べちゃっても良い?」
第12章 特別室 その参
その瞬間。……私の体は無我夢中という様に、二人の方へ向かい動いていた。
「やめて……お願い……」
「どうしたの? 先生。やっぱり一緒にしたくなったの?」
「違う……でも」
縋る様に山田さんへの愛撫を止めたキョウ君の腕を両手で掴んだまま、その綺麗な瞳を見つめる。
と、すぐに軽く首を傾げたキョウ君から微笑まれる。
「何? ……どうして欲しいのか言って?」
その声は私の心を見透かしている様で、私は俯きながらも急に恥ずかしくなった。
けど、それでもどうしようもなくキョウ君に言いたくて、恐る恐る口を開いた。
「しない、で……。お願い……」
「何でそんな事言うの? 先生」
「……好きだから。キョウ君が他の子としてるところなんて見たくないし、……して欲しくない……」