「先生、食べちゃっても良い?」
第13章 キョウのマンション
車の中からマンションを見た瞬間、高級そうだとは思っていたが。
……こんなに広い部屋だなんて。まるでホテルのスウィートルームにでもいるみたい。
部屋の中にあるインテリアも家電も全部高そうだし、窓からは都内の景色が一望出来る。
まさかこんな部屋にキョウ君が住んでいるなんて……と初めて知った事もあり、私はリビングのドアの前に立ち尽くしたまま呆然とした。
「先生、二人きりだからリラックスしてね。親もいないし」
「……ご両親はお仕事? 学校でもそう言っていたけど、ご両親の帰りは遅いの?」
「あれ? いってなかった? 俺ずっと一人暮らしだよ。中一の時から」
更にキョウ君の話を聞くと、驚くしかなかった。