「先生、食べちゃっても良い?」
第13章 キョウのマンション
同時に、……私だけを見て欲しい。そう思うのは、ずっと余裕ぶっていたくせに、だんだん抑えが効かなくなってきている証拠だ。
孤独な彼を愛してあげるのは私だけでありたい。孤独から救ってあげたい。一緒に暖かい陽の光を浴びながら、ただ過ごしたい。
刺激なんていらないし、退屈で良い。そんな日常を幸せだと感じながら、キョウ君の隣にいる異性が私でいたい。
こんなにも私の中は私欲でまみれていたのに……。
こうして惨めな自分を受け入れるまで、気づかなかった。
「……先生、怒った?」
「当たり前でしょう! どうしてそんな平気そうに、他の子の話をするの? ……どうして寂しいって私に言わなかったの? ……本当は私の事好きじゃない? 教師だから、刺激が欲しかっただけ?」
胸に詰まったシコリを吐き出す様に話すと、私はそのままキョウ君の体から降り、ソファに座る。