「先生、食べちゃっても良い?」
第16章 特別室 その四
そして、申し訳なさそうに謝る日向先生に驚き、思わずパチクリと目を丸くした。
「そうか……分かった。悪かったな、無理矢理聞いて」
「えっ……」
「何だ? 不思議そうにして」
「だって……日向先生が謝るなんて……」
「お前、本当苛つく女だな」
そのままデコピンされると、私は一瞬目を閉じ、痛がりながらもやはり不思議でならなかった。
「いたっ! 何するんですか!」
「お仕置き」
「お仕置きって……」
「もっとエロいお仕置きが良いなら、頼めばしてやるけど?」
「まさかっ……!」
何もない様に日向先生は笑っているけど、もっと詳しく質問されると思っていたから拍子抜け……。
「もう良いぞ。出てって」
「あ、はい……じゃあ失礼します」
続けてそう促す日向先生に頭を下げ、私はドアの方へ歩き出した。