「先生、食べちゃっても良い?」
第16章 特別室 その四
意外だ……前のキョウ君だったら酷く怒っていたのに。
そんな事も考えながらキョウ君の唇に口付けると、そのままキョウ君の首に両腕を回した。
そして、唇が触れ合った瞬間、キョウ君の舌に唇をこじ開けられ、喉の奥まで侵入されると、お互い舌を絡め合いながら次第に体や頬を火照らせる。
「んっ……んんっ……」
……気のせいか、いつもよりキスの仕方が少しだけ違う様な気もする。
優しいというか、全身とろけさせられる様にじっとりと口内を攻められる。
今まで激しくて強引なキスばかりだったのに。
キョウ君の心境に何か変化でもあったのかな……?
……そう考えている内に唇が離れ、ニコリと微笑むキョウ君からギュッと抱き締められた。
「先生が俺を大好きな事、もう知ってるから。前みたいに怒ったりしないよ」
その言葉が嬉しくて、私も頬を緩ませた。