「先生、食べちゃっても良い?」
第16章 特別室 その四
するとすぐにキョウ君が唇を離したけれど、ニコリと微笑んで。
「それ、俺の言葉なのに」
今度は自身の方から口付けてくると、そのまま特別室には二人の口付けを交わす音が暫く響いた。
……そういえば、始まりはここからだった。
この特別室でキョウ君から告白された時は驚いたけど。
「……っん、ふうっ……んっ……」
「先生、やらしい顔。ねぇ、このまま廊下に出てしちゃう?」
「だ、ダメェ……恥ずかし……」
「ふふ、冗談だよ。先生のそのエッチな顔を俺以外の誰かに見せるわけないでしょ」
……キョウ君のSさは変わっていない。
首筋から鎖骨にかけて舌を這わされながら、私はそう改めて実感させられる。