「先生、食べちゃっても良い?」
第5章 部屋
ゲイって、ことは、……男が好きって事だよね?
じゃああのキスは、浮気に入るんじゃないの?
というか、その友達の方が実は本命だったり……。
「なぁんだ。もしかしてだから怒ってた? 先生」
「な、なぁんだじゃないっ!! 何でキスしてたの!? もしかして、キョウ君もその伊月さんが好きだったりするの……!!?」
「まさか。伊月はたまに女装して見せに来たりするんだけど、ただの友達。たまにキスの練習させろとか言ってくるからさっきもされて、追い払ったとこ。大体あいつ好きな男いるし、それに俺ゲイじゃないし……って先生、聞いてる?」
思わず首に両腕を回してギュッと抱きしめてしまっていた。
愛おしいってこういう気持ちなんだ。
どうしよう、私本気で好き。
キョウ君から告白されて良かった……。
「先生、……しよう、と言いたいところだけど。ひとまずお風呂入ろっか」
「うん……」
ギュッと抱きしめ返されて、ただそれだけで幸せな気持ちになる。
最後までして欲しいとか初めは思っていたけど、……もうこのまま寝てしまっても良いかもしれない。
キョウ君から伝わってくる暖かさに心まで暖かくなった。