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「先生、食べちゃっても良い?」

第2章 特別室



(……今何が起きてるの?)





そのまま方針状態で身動きせずにいるとそんな私の唇から曽根崎君は唇をはなし、私の顔の前で無邪気に笑った。






「俺、千尋先生が好き」







(……えっ? これって、もしかして告白……?)





そう尋ねたくても、驚き過ぎて話す事さえままならない。




曽根崎君がまじまじと不思議そうに私の顔を見つめ、悪戯の様にまたちゅっとキスしてくると、……口内に舌が入り掛けたところでようやく我を取り戻した。




いや取り戻さざるを得なかった。







「……!? ちょっと、今、舌! 舌が!」


「だって先生が反応してくれないから〜」


「……というか、どういう事!? 私の事好きって、数学の勉強は!?」






目を見開いて質問する私に曽根崎君は申し訳なさそうに微笑んで、少しだけ首を傾げてみせた。








「ごめんね? 勉強したいって言うのは嘘。千尋先生と2人っきりになりたかっただけ」



「そんな……。私、凄く嬉しかったのに……。曾根崎君がやる気出してくれたと思って……」







曽根崎君の話を聞くと、今にも泣きそうになる。


そんな私を元気付ける為か曽根崎君が私の両手を急に握ってくると、私はぽかんと口を開けたまま曽根崎君の顔を見つめた。







「……でも、ひょっとしたらやる気出るかもしれないよ? 千尋先生が……俺と付き合ってくれたら」








話を聞いても元気など出なかった。


寧ろ谷底にでも突き落とされた様な気分。







(付き合ってくれたらって……考えなくてもムリだと分かる筈だ)






私達は教師と生徒。






恋愛は禁止されているのだ。

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