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バラードは君だけに

第7章 二人の彼


母が言った。

「私あの人と別れて、どこか遠い所で一人出直す事にしたわ」


「え…っ」

私と母は確かに普通の親子と違って、一緒にお出掛けしたり、料理を教えてもらったりもなかった。
でも今ならわかる。


不器用にしか生きられなかった母を、私は決して恨まない……。


「湊さん、でしたわね?」

「はい」


「勝手なお願いですけど、美羽の事を頼めますか?」

「それはもちろんです。責任を持って、美羽さんをお預かりします」

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