バラードは君だけに
第11章 愛しの君
湊side
海斗からメールをもらい、市大病院へ駆けつけた。
撮影が終わった直後で良かった。
個室のドアを開けると、点滴をした美羽が寝ている…。
その側で海斗が見守っていた。
「海斗」
「あぁ兄貴。美羽と買い物に行く途中で、急に倒れて」
「知らせてくれてありがとうな。で、医者はなんて?」
「摂食障害による栄養失調だって。美羽、家では何も食べてなかったらしい」
「なんだって!?」
美羽は青白い顔をしていた。
まさかこんな事になるとは。
俺は海斗に言った。
「お前、朝からまた補習あるんだろ?後は俺がみてるから、もう帰って寝ろ」
「ん、そうする。午後からは戻れると思うからそれまで頼むよ。あ、それから美羽んち食料なんもないから、いろいろ買ってやって」
「わかった。気をつけて帰れよ」
海斗は口角をあげて頷くと、病室から出て行った。