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それは恋のレッスン

第2章 ☆ブラックコーヒー



 ……ゴムさえ着けてくれなかったんだ。
 
 
 私の腹部に吐き出された彼の欲望の白を見たとき、心が凍り付いた。
 いくら初めてだとはいえ、それは躰を繋げる上で最低限のエチケットだ。初めてのそれは、生々しくて、一方的で、痛みを伴うものだった。

 ―――セックスってもっと優しくて、気持ちいいものだと思ってたのに、な――――。


 現実に、夢と幻想が打ち砕かれて、痛くて辛くて泣き止まない私に対して、彼は優しい言葉を掛けて慰めてくれたけれど。
 そのうち美緒ちゃんも気持ちよくなるから――その言葉に、またセックスしなきゃダメなんだ・・・と絶望的な気分になった。

 貪られるだけの一方的な行為。
 そんな初めてのセックスがトラウマになり、怖くなってしまった私は、自分の方から彼に別れを告げたのだ。



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