それは恋のレッスン
第2章 ☆ブラックコーヒー
《ねぇ、美緒あんた不感症だっていわれてるよ?》
彼と別れて暫くして、そんなうわさが流れはじめた。
それは、自分が振られた腹いせにまことしやかに彼が流した不名誉なうわさで、巡り巡って私の耳にも入ってきたのだ。
飲み会の時、美緒の元カレがそう私のカレに話してるのが聞こえてきたんだ――そうお節介な友達が私に教えてくれたから。
――――わざわざ教えてくれなくてもいいのに。
そんな言葉が胸をよぎらない訳がない。
知らなければ、こんな最悪な気分にならなかった・・・・。そんな風に思いながら、それが私の耳に届くということは、色んな場所で元カレが話題にしていることを意味していることに愕然とする。
ううん。
元カレはプライドが高そうな男だった。多分それは自分が振られた腹いせで、私に聞こえればイイそう思っての行為だ。
そう解ってはいても、恋人とのセックスは二人だけの秘め事だと思う私にとって、たとえ別れた後だとしても、人に言いふらされたというそのこと自体に、別れてからも更に傷つけられた。