それは恋のレッスン
第3章 ☆長谷川書道教室
先生の自宅の古民家で営まれている書道教室は、部屋と部屋を仕切っている襖をあけ放ち、
二部屋をひと部屋に広げた十二畳程度の広さの和室で行われていた。
背の低いテーブルがコの字型に並べてあり、
ひとつのテーブルを二人で使用しながら、生徒の皆さんが練習している。
年齢は・・・どちらかといえば高めの方だろうか。
平均年齢、六十代ぐらい?でも中には四十代や、三十代ぐらいの人もいて。
この部屋で、総勢二十人ぐらいの生徒さんが練習に励んでいた。
「宇佐見さんは、華ちゃんの会社のひと、なんだって?」
「はい。須藤さんとは同じ会社ですよ」
・・・華ちゃんとは、恵美子の会社の後輩で、このチラシを恵美子に進めてくれたふんわりとした可愛らしい雰囲気の女性。
私は直接一緒に働いたことはないけれど、二課と三課は同じフロアだし、恵美子と一緒にいることが多い彼女のことは、顔見知り程度には知っていた。