それは恋のレッスン
第3章 ☆長谷川書道教室
「大人になって書道を始めようという人は、だいたい昔経験がある人が多いんです。
宇佐美さんも、もしかしたら、経験者?」
「・・・いっ、いえ!違います!」
――――綺麗なオトコのヒト。
見学体験のとき、先生から質問されたことに答えた声が、受け思いもかけず甲高い声になってしまったのは、緊張しているせいもあるけれど、先生のその綺麗な容姿のせいだ。
はしばみ色の瞳にスッと通った鼻筋。少しだけ肉厚な唇が色っぽくて。
肌はきめ細かく、柔らかそうな少し茶色の髪の毛は癖っ毛で軽くウェーブが掛っていた。
華奢な体つきは余り異性を感じさせず、口調も物腰も柔らかで優しそうな雰囲気は、あまり異性を強く感じさせなかった。
そんな男性が、私の顔をじっとみつめながら教室の説明をしてくれたら、思わず見とれてしまうのは・・仕方ないと思いマス。
先生の姿にドキドキしている私は、いい歳をした大人なのにも関わらず、まともに質問に答えられないまま。