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それは恋のレッスン

第1章 ☆習い事はじめます



 私が課長の発言にムカついてるポイントは3つある。

① 香典袋は課長の個人的な物であるという点。
② いきなり無理矢理書かされて、せっかく書いてやったのに――からのその発言、という点。
③ 字の上手い下手と結婚は、全く関係ないという点。


 ―――文句があるんだったら、自分で書けば良いじゃないの!今の世の中、色々なツールがありますよ課長!


 社会人も六年目。

 私は、上司である課長に対して心のなかでそう毒づくことしか出来なくて、表面上は笑顔を保つと、言葉を続ける。


「もう一度書き直しましょうか」
「いーよ、いーよ。俺が書くより幾らかはましだから」


 ―――なら文句言わないでよー!


 私の気持ちなど知らない課長は、そう言うと、香典袋をヒラヒラ振って席を立ってしまった。

 でも・・・。

 そのセクハラ紛いな発言にイラっとするのに、言い返すことが出来ないぐらい私の字は汚なかった。
 それは、悔しいけれど言い返すことが出来ない事実で。


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