デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
学校へと向かう道すがら、肩に背負った少年と自己紹介を交わした。
少年の名前は佐々木 玲二(ささき れいじ)。
年は15歳で、学年は1つ下の1年生である。
「すいません、ご面倒おかけしました」
「歩けるか?」
黒斗の言葉に玲二は頷き、肩に回していた手を外し、自分の足で立つ。
「何とか治ったみたいです! ありがとうございました、月影先輩!」
敬礼のポーズをとり、ヨロヨロと歩き出す玲二の背中を見送る。
すると
「やーい! ノーローマー!」
「ふわっ!?」
颯爽(さっそう)と現れたオールバックの男子生徒に、手に持っていた鞄を引ったくられてしまった。
「か、返してよー!」
「返してほしけりゃ、追い付いてこいよー!」
男子生徒を必死に追いかける玲二だが、その動きは鈍重で、追いつくのは難しいだろう。
「本当にどんくさい奴だな……」
独り言をもらしながら、黒斗は昇降口に向かった。