デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
「じゃあ、そろそろ帰るぞ。邪魔をした」
「早よう元気になってな、レイちゃん!」
「うん! バイバーイ!」
手を振る玲二に別れを告げ、黒斗と鈴は病室を後にした。
「レイちゃん、可愛くてエエ子やったな……クロちゃんの舎弟とは思えへんわ」
「余計なお世話だ」
他愛ない話をしながら廊下を歩く2人。
「……そういえばケイちゃん、どうしとるかな?」
死神(黒斗)に罰を与えられ、右足を失った友人…竹長 恵太郎のことを心配する鈴。
「……しばらく会いたくないと言ってたんだ。あっちから連絡が来るまで、そっとしておけ」
「せやな……」
気にかけながらも頷く鈴。
すると、黒斗が突然立ち止まった。
「クロちゃん? どないしたん?」
「……いや、用事を思い出したんだ。橘、先に帰っててくれ」
「分かったわ。ほななクロちゃん! また明日な!」
笑顔で手を振り立ち去った鈴を見送ると黒斗は踵を返し、早足で歩き出した。