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第4章 Episode 4 すれ違い




「……随分と元気そうだな。親友が死んだわりに」

「ッ!」


冷たく言い放たれた黒斗の言葉に、玲二の顔から一瞬で笑顔が消え去る。


「ちょっ、クロちゃん! デリカシー無さすぎやで! レイちゃんは辛くても弱音吐かずに頑張ってるんやで!」

「だ、大丈夫だよ鈴ちゃん! オレは大丈夫だから!」


黒斗に食いかかる鈴を宥め、玲二は口を開く。


「有理が自殺したのは悲しいよ。でも……悲しんでても有理は帰って来ない。だから、せめて有理の分まで笑っていようと決めたんだ」

「……レイちゃん……」

「……そうか」


玲二の言葉に、2人はそれ以上何も言わずに話を終わらせた。


「ホラ! 朝からしんみりしない! 早く学校に行こーよ!」

黒斗と鈴の背中を押し出す玲二。


顔は笑っていたが、心の中はどんよりと曇っていた。

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