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第1章 Episode 1 断罪者




「フフッ、いい気味だわ田島の奴」

平田の話を聞き終えた江角は、満足気に何度も頷いた。

田島と江角は幼馴染みであり、友好関係も良好だった。

看護婦の給金だけでは満足出来なかった江角は、田島にならって売春を始めたのだ。

だが江角は、ある日田島の客を横取りし、それ以降2人の関係はギスギスしたものとなり江角は田島を疎ましく感じ始める。

商売敵となった田島が邪魔になった江角は、彼女に罪を着せる事を思い立ったのだ。


「良かったな。これからも誰かを殺す時は俺に一声かけてくれよ」

「じゃあ早速で悪いけど、明日の夜に1人殺そうと思ってるから、また工作を頼めるかしら」

「なんだ、随分とペースが早いな。また金持ちのオヤジでも見つけたのか?」


平田の問いに、江角は首を横に振る。


「田島の妹よ。病院にまで乗り込んできて、私に文句をつけてきたの。本当、姉妹そろって目障りな奴らだわ」

夕方の出来事を思い出し、苛立った江角が爪を噛む。


「あのガキは今までで一番むごたらしく殺してやるわ。そうねえ……まずは腹部を刺して、次は動脈を切る。そして最後には心臓をひと突きよ……」

頭の中で殺害方法を思い描く江角の頬は赤く染まり、呼吸も荒くなっていく。


「いい、いいわ……これなら沢山の血を見れる…フフ……楽しみだわ……早くあのガキがどす黒い血をぶちまけながら死にいく様を見たいわ……!」

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