Sparkling!
第9章 ヤキモチ
大野side
個室を飛び出して、
トイレの扉を開けようとしているにのを捕まえる。
「待って!」
驚いて振り向くにの。
「は、話が…」
二「手、放してくれます?」
にのは、眉根を寄せながらおいらの顔と握られた腕を交互に見た。
二「後で聞きますから、取り敢えずトイレ、行かせてもらえます?」
「あ、ごめん。」
慌てて手を放すと、壁に凭れ、にのが出てくるのを待った。
でも…
10分以上経ってる…。
スマホをいじるおいらの姿を見て、
1人、2人と舌打ちしながら戻ってゆく。
いくらなんでも遅すぎじゃ…。
にのに怒られるかもしんないけど、
このままだと他のお客さんに迷惑がかかっちゃう…。
恐る恐るドアをノックしようと手を伸ばすと、
中から思い切りドアが開けられ、
にのが顔を覗かせる。
「「あ…。」」
気まずさからなのか、
にのはそのまますたすた歩き出した。
「にの、おいらの話…。」
二「俺に遠慮しなくてもいいですよ?」
えっ?
二「翔さんのとこ、行きたいんでしょ?」