Sparkling!
第12章 好きって言葉が言えなくて。
松本side
「ねえ、翔さん、何か食べたいものある?」
櫻「ん?松潤の食べたいものでいいよ?」
「じゃあ…」
櫻「あっ!!オムライス!!」
「え…!」
オムライス…って…。
翔さん、子供みたい。
苦手だけど、頑張ってみますか…。
「適当に座ってて?」
櫻「いや、手伝うよ?」
「大丈夫。赤貝の缶詰買ってきたから摘まんでて?」
櫻「えっ!!マジ?」
「はい、ビール。」
冷蔵庫を開け、冷えた缶ビールを手渡す。
櫻「いや、でも、やっぱり…。」
押し戻そうとする翔さん。
「じゃ、玉ねぎのみじん切り作ってくれる?」
櫻「うっ。じ、じゃあ、お言葉に甘えて…。」
翔さんは素直に缶ビールと缶詰を受けとると、
リビングに腰を下ろした。
「翔さん、お待たせ。」
櫻「あ、ああ、ありがと…。」
食い入るようにテレビのニュース映像を見つめる翔さん。
櫻「ひどい話だよな?」
「え?…あ、うん。」
ニュースの内容は、家庭の事情で、親代わりをしてくれていた親戚の男性を、
男子高校生がナイフで刺した、というもの。
櫻「信じられねぇよ…。」
苦々しい口調で繰り返す。
櫻「あ…!ごめん!食べよっか?」
「うん…」
櫻「うまそう!」
翔さんは、笑顔でオムライスを頬張った。