Sparkling!
第13章 僕らのカタチ。
櫻井side
にのプロデュースのデートプランに従って、
智くんと足を運んだのは水族館。
赤や黄色といった、色鮮やかな魚が泳ぎ回る水槽を無言で食い入るように見つめる智くん。
かと思えばすたすたと先になって歩き出す。
こんな状態がしばらく続いて、
ジンベエザメが悠々と泳ぐくらい大きな水槽の前に足を止め、
水槽のガラスに両手をぺたりとつけ、智くんはちょうど真上を悠然と泳ぐジンベエザメをじっと見上げていた。
大「ねえ、翔ちゃん。」
「ん?何?智くん?」
大「翔ちゃんはどの魚が好き?」
相変わらず、ジンベエザメを見上げたままの智くん。
振り向きもせずに質問してきた。
「そうだな…俺は…。」
ふと、目線を少し下に下ろすと、
銀色の鱗を煌めかせながら揺らめく小さな魚の群れが目に入った。
「俺はコイツら、かな?」
俺の指差した場所を見て、
智くんはフフっと笑みを溢した。
「そう言う智くんは?」
大「僕も…僕も翔ちゃんと同じだよ?」
恥ずかしそうに笑うと、
智くんは銀色の魚の群れに目線を移した。