Sparkling!
第24章 幸せになるために… (s × o )
櫻井side
「………」
好き…って、
俺の顔、のことって言ってたけど、
好き、って言ってたよな?
うまく描けない、って?誰がどう見ても俺よりはうまく描けてるのに。
バスルームからそっと出てきては、
また、寝室に消えていこうとする智くん。
その背中に思い切って声をかけた。
「あのっ…!!」
智くんの動きが止まる。
「俺、モデル、しよっか?」
大「え?」
あっ!?俺、ってば何言ってんだ?
「実物前にした方が描きやすいでしょ?」
大「………。」
ドアの取っ手に手をかけたまま微動だにしない智くん。
「ごめん。何言ってんだろ?忘れて?」
大「…いいよ?」
「へ?」
大「その代わり翔ちゃんも僕を描いてよ?」
えっ!?残念なぐらい絵心ZERO〜な俺が?
智くんを?
大「別にうまくなくてもいいよ?翔ちゃんが描いてくれるんなら。」
そう言って笑う智くん。
「俺も…」
俺もだよ、智くん。
キミが描いてくれるんならどんな絵だって、
俺にとっては、どんな名画も足元に及ばないよ…。