Sparkling!
第24章 幸せになるために… (s × o )
櫻井side
大「あっ!?翔ちゃん、動いちゃダメ!!」
「えっ!?あっ、ごめん。」
…俺が描けない…。
…ま、いっか。
俺のヘタクソな絵なんか智くんに見せられたもんじゃないし。
「……」
ちら、と横目で見ると、
ものすごく真剣な顔で俺の顔を見ながら鉛筆を走らせていた。
絵を描いてるときの智くん、こんな顔してんだ…
そう言えば、昔、
一人で、鏡に向かって汗だくでダンスの練習に打ち込んでいる姿を何度か見たことがあった。
その時と同じ顔だ…
しばらくして、智くんの鉛筆を持つ手が止まり、
絵を見つめたまま、柔らかく微笑んだ。
「出来たの?」
無言で、笑顔を浮かべたまま頷く。
大「翔ちゃんは?」
「えっ!?お、俺?」
大「見せてよ?」
「いや、まだ、途中…」
大「途中でもいいから見せて?」
いやいや。ただでさえ完成形でも残念な代物なのに見せられるわけないでしょ?
「それより、智くんは?出来たんだよね?」
大「う、うん。」
智くんは、絵の出来栄えを確認するみたいにちら、と見ると背後に隠してしまった。